『簡単！手作りコスメ バイブル』
新刊案内：KKベストセラーズ 8.16 /2010 発売
毎朝夜のスキンケア。
一体いつ頃から女性はスキンケアを日常の習慣とするのでしょう。
子供の頃、お風呂上がりはそのまま床に就いても全然平気だったのに気がつけば、やれローションだ、乳液だ、美容液だ、クリームだなどと大忙しです。
そしてたいてい二十歳を過ぎる頃になれば、コスメ雑誌をめくっては新商品に胸ときめかせ、いっぱしの美容ライター気取りでひと言たれる。
はたまた効果を求めてはコスメジプシーと化し、挙げ句トラブルだらけのお肌に独り引きこもりの衝動に駆られる、というのもありがちな話かもしれません。
かく云う私も新しい効能を謳った新商品に目移りし、はたと気がつくとクレンジング、ローションからパックまでラインで薦められるままに、それは大枚を月々のスキンケア代につぎこむようになっていました。
スキンケアの呪縛
スキンケアって、一度履いたら一生踊り続けなければならない呪いだったのかと、まるで赤い靴の呪縛のようです。
毎月、羽が生えて飛んでいくお札にも未練たらたら、かといってお手入れはやめられません。魔法の呪文のようなキャッチコピーに趣向をこらした器のデザイン、陶器のようなミルク色の肌のモデルさんにうっとり……。
さて、ここで大きく息を吐き落ち着いて、自分のお顔を鏡でよく見てみましょう。
最初は汚れを落とすための毎朝の洗顔。それから洗顔後の水分補給のためのローション。さらに冬場が近くなるとカサカサしたり粉を吹いたりするのでクリームで油分の補給。
スキンケアとは実にこの３ステップが基本だったのです。
本来の健康なお肌なら子供の頃とは云わないまでも、シットリさの素もモチモチさの素も、本来のお肌に備わっていたはずなのです。ならば、スキンケアとは季節や環境、年齢に応じて足らないモノを補ってあげればいいだけの話。
発想の転換をして、お肌本来の力を取り戻す
では本来の自分の肌力を引き出すためにどうするか。
それには今までの加算的なスキンケアよりも、むしろ減算的なお手入れ法をおすすめします。
そして、お肌本来の輝きを取り戻すべく、これからご紹介する身近な自然素材で作る手作りコスメで、梅雨時にはローションだけ、冬場にはクリームを念入りにとか、またクリームは乾燥しがちな部分使いだけにするとか、必要最低限のお手入れに切り替えていきませんか、ということです。
また手作りを通して、いろんな植物の特性や効能に触れ、今まで見過ごしていたさまざまな植物の神秘にもふれることができます。
自然の恵みと癒しの力で、知らず知らずにうちに甦える、お肌本来の肌力をきっと実感されることでしょう。
シンプルスキンケアのすすめ
ショーウィンドウに飾られ、あんなに憧れてた赤い靴。 靴に踊らされ足を傷めてしまっては華麗なステップも踏めません。時には靴を放り投げ、素足で思いっきり海岸を走ったりと、お肌本来の力をスパークさせましょう。
そうそう、美しい魅惑的な赤い靴は、舞踏会用にでも飾っておいて。美しいボトルは飾っておくだけでも楽しめます。
大切なのは自分のお肌が本来持っている力を信じてあげることです。
そして絶えず自分のお肌の声に耳を傾けながら、時には与え時には省く、必要なものだけ補給してあげる、決して一様にマニュアル化されることのない自分だけのスキンケア法。
そんなさまざまな状態に応じたレシピをわんさかとご用意し、ご提供いたします。
(「はじめに」よりー抜粋）
